一般的に子供の矯正は、床装置のような取り外しのきく装置が行われています。
はずしている時間もあるため、その間に後戻りする可能性もありえます。実際私もそのような装置を使ったことがあるのですが、子供さんが使ってくれず効果が出ずに終わったことが少なくありませんでした。そして、あるお父さんの「こんな装置 子供は使わんよ。」といわれて以来ぱったりやめてしまいました。外せるということは使わないという可能性がありえるのを痛感しました。
ただ、成長期に成長方向を正しく誘導する機会をみすみす逃すのはやはりもったいない。
私の信頼する生理的咬合に基づく矯正はしっかりその理論から子供用の矯正法を編み出していたのです。それが、オーバーレイ治療です。この方法は永久歯の矯正と同じく固定式なので外すことができません。24時間矯正の力が歯に伝わります。
以下に症例を示します。
ステップ1
乳歯の奥歯に咬み合わせを変えるように設計したオーバーレイを接着します。
八重歯や叢生を改善するためワイヤーを付けます。
ステップ2
八重歯が解消しました。
このまま犬歯が咬むまではワイヤーを入れり外したりしながら管理します。
オーバーレイは乳歯と一緒に自然に抜けていきます。